離婚にかかる弁護士費用ってどんなもの? どう計算する? 素人が依頼人目線で解説します(2)

勝利 離婚
スポンサーリンク

こんにちは、ねりきりです。

離婚にかかる弁護士費用ってどんなもの? どう計算する? 素人が依頼人目線で解説します(1)の続きです。

離婚にかかる弁護士費用ってどんなもの? どう計算する? 素人が依頼人目線で解説します(1)
こんにちは、ねりきりです。 離婚ネタが続きます。 一般人にはわかりにくい弁護士費用。 弁護士のサイトには色…

今回は架空の事例と架空の法律事務所の報酬規定を元に、いくら弁護士費用がかかるのか実際に計算してみたいと思います。

ご自分が委任した(する)法律事務所の規定を元に弁護士費用を計算する参考にしてくださいね。

スポンサーリンク

事例1 夫のモラハラに耐えかねて子連れ別居したAさんの場合

離婚争議の内容

  • 家族構成 Aさん(専業主婦) 夫(会社員・年収500万円) 子(2歳)
  • 弁護士委任は調停の申し立てから
  • 離婚調停・婚姻費用調停を申し立て
    婚費審判で月8万円の婚費決定。(離婚成立まで婚費が支払われた期間15カ月
  • 夫が面会交流調停を申し立て→月2回の面会交流が決定。
  • 離婚訴訟を申し立て
    離婚、親権、養育費5万円、財産分与、DVモラハラの慰謝料200万円を請求
    相手方は訴えの棄却を求めた
  • 離婚成立
    親権はAさん、養育費5万円、財産分与なし

Aさんが依頼した法律事務所の規定

離婚協議着手金110000円
実費20000円
成功報酬88000円
依頼人が経済的利益を受けた場合、下表の計算による
調停事件着手金110000円
実費20000円
成功報酬88000円
依頼人が経済的利益を受けた場合、下表の計算による
訴訟事件着手金231000円
※離婚調停から離婚訴訟を受任するときの着手金は165000円
実費35000円
成功報酬88000円
経済的利益を受けた場合、下表の計算による
経済的利益〇婚姻費用 2年分×10%

〇養育費 2年分×10%

〇経済的な利益の額が

3000 万円以下の場合 10%

3000 万円以上 3000万円を超える部分の6%+300 万円

〇当面、取り立てができない事件の報酬金は88000円

〇相手方の請求を排除した場合は着手金の7割とし、訴訟の場合は出廷回数×11000円が加算される。ただし、出廷回数による加算額は請求排除額の10%以内。

法テラス利用と仮定しています。

ただし上の表は法テラスの報酬規定を参考にはしていますが、裁判は個別の事情によるところが大きいし、報酬金には幅があり(表の値は標準額)、難易度によって増額されることもあるそう。
私の読み取り方に間違いがあるかもしれないので正確でない可能性は大いにあります。

弁護士と委任契約を結ぶ際には必ず見積もりをお願いしたり、費用について詳しい説明を求めるようにしてくださいね。

参考:法テラス代理援助立替基準

弁護士費用の計算

着手金

離婚&婚費調停 110000円
実費 20000円

面会交流調停 110000円
実費 20000円

離婚訴訟 165000円
実費 35000円

小計 460000円

報酬金

婚姻費用審判成立 88000円

面会交流調停成立 88000円

離婚成立 88000円

婚姻費用 80000円×15ヶ月×10%=120000円
※支払われた期間は2年以内だったため、実際の期間で計算

養育費 50000円×24ヶ月×10%=120000円

小計 549000円

合計

1009000円

スポンサーリンク

事例2 夫が浮気して家出、離婚を要求されたBさんの場合

離婚争議の内容

  • 家族構成 Bさん(パート主婦・年収150万円) 夫(会社員・年収500万円) 子(15歳、13歳)
    資産 預貯金、自宅合わせて1000万円
  • 弁護士委任は離婚協議から
    探偵事務所に依頼し夫の不貞の証拠を取得
  • 離婚調停を夫が申し立てる。
  • 婚姻費用調停をBさんが申し立てる。
    婚費が月額11万円に決まる。(離婚成立まで婚費が支払われた期間24カ月
  • 離婚調停5回で不成立。
  • 離婚訴訟を夫が申し立てる。
  • Bさんが予備的反訴を申し立てる。
    離婚は拒否。
    ただし離婚判決が出る場合は、親権はBさん、養育費子ども一人につき5万円、財産分与、不貞の慰謝料300万円を請求。
  • 離婚成立
    親権はBさん、養育費1人につき4万円、子どもが20歳の3月末日まで
    財産分与500万円
    不貞行為の慰謝料200万円
    訴訟期日12回で結審
予備的反訴とは
離婚を求めてきた相手に対して、自分は離婚したくないし、離婚原因もない
でも、もし離婚が認められる判決が出るなら慰謝料や財産分与をもらいたいと、相手方が起こした本訴に対して予備的に申し立てるものです。
ちなみに予備的でない「反訴」は自分も離婚したいが、離婚原因は相手方にある…と主張するものです。

Bさんが依頼した法律事務所の規定

離婚協議着手金165000円
実費11000円
成功報酬22万円
依頼人が経済的利益を受けた場合、下表の計算による
調停事件着手金275000円(審判含む)
※離婚交渉から調停を受任するときの着手金は33万円
※3期日まで日当無料。4期日以降は1期日につき33000円加算
実費22000円
成功報酬22万円
依頼人が経済的利益を受けた場合、下表の計算による
訴訟事件着手金33万円
慰謝料を請求する場合+55000円
財産分与を請求する場合+55000円
※7期日まで日当無料。8期日以降は1期日につき33000円加算
実費38500円
成功報酬33万円
依頼人が受けた利益により下表が加算される
経済的利益離婚を達成または阻止 11万円

親権獲得または阻止 11万円

婚姻費用 2年分×11%

養育費 5年分×11%(残存年数が5年以内の場合は実際に支払われる期間分)

面会交流 実現した場合、または減縮した場合33万円

慰謝料・財産分与を得られたまたは減額できた場合
経済的な利益の額が 3000 万円以下の場合 経済的利益の 11%
3000 万円を超える場合 超過金額×5.5%+330 万円

※某大手法律事務所の規定を参考にしています……が、規定は法律事務所によって異なりますし、私の読み取り方に間違いがある場合もあります。

弁護士と委任契約を結ぶ際には必ず見積もりをお願いしたり、費用について詳しい説明を求めるようにしてくださいね。

弁護士費用の計算

着手金

離婚協議、調停、婚費調停 275000円
実費 22000円
日当加算 33000円×2期日=66000円

離婚訴訟 330000円
実費 38500円
離婚訴訟日当加算 33000円×5期日=165000円

慰謝料請求加算 55000円
財産分与請求加算 55000円
※今回は加算していませんが法律事務所や事案により予備的反訴の着手金が必要な場合もあるようです。

小計 1006500円

報酬金

基本成功報酬 330000円

離婚成立 110000円

親権獲得 220000円(子2人分)

婚姻費用 110000円×24ヶ月×11%=290400円

養育費
第1子分40000円×30ヶ月×11%=132000円
第2子分40000円×54ヶ月×11%=237600円
※支払いは20歳までなので残存年数で計算しました。
※※子どもが大学進学する場合などの養育費については、配偶者の学歴や進学を認めていたかどうかなどが問われます。
また訴訟では将来の見込みで養育費や学費の算定はせず、子どもの年齢が上がった頃にまた養育費調停を起こすように言われることが多いです。

財産分与 500万円×11%=550000円

慰謝料 200万円×11%=220000円

小計 2090000円

合計

3096500円

離婚原因は不貞行為ですから、探偵に調査依頼したり夫の不倫相手に慰謝料請求したりといった費用も必要だと思われます。

初期費用がかなりかかりますね

相手の不貞行為を立証できれば慰謝料を貰える可能性は高いですが、立証できなければ難しいのではないかと思います…

とにかく証拠を確実に手に入れることが大切です。

手持ちの証拠が裁判に通用するかどうかの判断は、素人には難易度が高いです。
必ず弁護士に相談してくださいね。

最後に

弁護士費用について知識がないことが原因で弁護士に不信感を持ち、解任を考えている…

そんな声を見かけて、弁護士費用がどんなものか、どんな風に計算されるのか理解を深めたいと思い、この記事を書きました。

これらはほんの一例に過ぎませんが、こうして眺めても事案によってずいぶんバラつきがありますね。

今回は訴訟まで進んだケースを想定したこともあり、私自身、計算するのにかなり苦労しました。←数学苦手。汗

一度経験していてもこうなのですから、弁護士費用について理解するのは大変だなあとあらためて思いました。

弁護士を利用せず公正証書を作って協議離婚するのが安上がりだと思いますが、それができない場合は仕方がありません。
こじらせるよりはやはり弁護士に依頼することを検討していただきたいです。

費用について不明な点は遠慮せず、委任する前にできるだけ弁護士に質問してくださいね。
丁寧な解答がないようなら委任を見合わせた方が良いかもしれません。
これからの離婚争議を一緒に戦うパートナーとして相応しくないかも…。

一般人からすれば弁護士費用は高い買い物です。
安易に買い替えできるものではありませんから慎重に吟味してくださいね

得られるものと支払うもののバランスを頭に置いて離婚の計画を立てることが大切だと思います。

この記事があなたの弁護士選びに少しでもプラスになりますように。

※上記の計算で間違っている、私はこうだったよ、というところがあったらぜひ教えていただけるとありがたいです。←ホントに数学苦手なんです。汗

タイトルとURLをコピーしました