こんにちは、ねりきりです。
弁護士いわく、判決の内容は私にとってとても良いものでした。
しかし、私は控訴することに決めました。
【離婚裁判体験談】判決文が届きました(4)財産分与についての続きです。
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判決について
主文の印象
GW前に判決の主文を聞いたとき、私はよい判決が出てよかった、と思ってました。
養育費は「聞き間違えたかな」と思ったくらい高額で半信半疑でしたが、慰謝料の約600万円が却下されたことに何より安心しました。
裁判所がこんなものを認めるはずがない、と信じてはいましたが、変な裁判官もいると聞いていたので、万に一つという不安がどうしても拭えなかったんですよね。
本人尋問で裁判官に対する信頼が揺らいだ、というのもありましたし。
この時点で私は、もと夫が控訴することはあっても自分はない、と思っていました。
判決文を読んだあとの感想
争点についての裁判所の判断について、簡単にまとめると以下の通りです。
婚姻関係の破綻について責任があるのはどちらか
もと夫の不貞行為を裁判所は事実認定しました。
自分は浮気していない!
婚姻費用審判以降、もと夫はこのウソを押し通そうと必死でした。
裁判所に認めてもらえば自分の悪事が帳消しになる、とでも思っていたのかもしれませんね。
浮気が発覚した後、数年間は平穏に生活を続けていた(私の内面はどうあれ)ことで、もと夫の不貞行為が破綻の原因であるとは認められませんでしたが、私としたら「勝った」という気持ちでした。
もと夫がこじつけた破綻理由はことごとく否定されたしね。
子どもたちの親権者
私です。こちらも「勝利」ですね。
財産分与
子ども達名義の預貯金が子どもたちのものと認められたことはよかったのですが。
一番の懸案事項だった自宅土地建物の査定について、もと夫の言い分が全面的に認められたことはどうしても納得できませんでした。
「痛み分け」ですかね…。
養育費
弁護士会の新算定表に即した請求は認められませんでしたが、それに近い額の養育費が認められました。
ここだけ見れば「大勝利」なんですけどね…。
年金分割
普通に按分割合0.5と定められました。当然の結果です。
画期的な判決!?
この判決は、私にとっては全体として決して悪いものではありませんでした。
もと夫のデタラメ主張はきれいに却下され、ほぼ私の望んだ内容になっていたからです。
ジョシー先生も喜んでました。
養育費の額がここまで高くなったのは画期的ですよ!
そもそもシングルマザーの貧困問題に貢献できないか、と考えて弁護士会の新算定表を持ち出したので。
新算定表は採用されなかったものの、それに近い額の養育費が認められたことは確かに画期的と言えました。
でもね。
とてもとても申し訳なかったのですが、私にはどうしてもこの判決を受け入れることができなかったのです。
不満の理由
- 養育費がびっくりするほど高い
- 自宅土地建物の査定がびっくりするほど安い
これが私の判決の特徴でした。
裁判所は双方に花を持たせバランスを取ろうとしたのでしょう。
裁判ではよくあることです。
子ども最優先の私には、養育費を多くしてやれば文句はないだろう。
一方のもと夫には、自分が所有している自宅の査定を低く抑え、財産分与額を低くしてやれば納得するだろう、と考えたのでしょうね。
考え違いもいいところです。
だって、子ども最優先の私にとっては、養育費も財産分与も全て子ども達のためのお金だからです。
養育費はこの先変動する可能性があります。
例えば、もと夫が結婚して子供が生まれた、転職した、無職になった、私の収入が増えた…などなど、事情が変われば養育費減額調停を起こされるかもしれません。
さらに、今の日本では養育費の未払い率が7割を超えています。
こんなものを100%当てにするのは怖すぎます。
一方、財産分与は判決が確定してしまえばそれで金額が確定します。
すぐに手に入り、子どもたちの将来に備えることができます。
判決を確定させ自宅を安値でもと夫に譲りわたしたあとで、もと夫に養育費の減額調停を起こされたり、不払いになったとしたら…。
私には成す術がありません。
土地建物の査定を見直してほしい、財産分与を見直してほしいと言ってもあとの祭りなのです。
ジョシー先生の意見
そこで私はジョシー先生にこんなメールを送りました。
自宅不動産に関して、相手方の査定が完全に採用されたことが不本意です。控訴の方向で考えています。
さらに、以下の回答をお願いしました。
- 現行で裁判を終わらせた場合、かかる費用
- 控訴した場合、かかる費用
- ジョシー先生の考え
1はつまりジョシー先生に支払う弁護士報酬ということなのですが。汗
財産分与からその額を引くと、私の受取額が希望していた金額よりも低くなる計算になりました。ショック…
ますます控訴に気持ちが傾きました。
2の控訴費用は「通常の半額の着手金+印紙代+実費3万円程度」とのことでした。
判決を確定させた場合に、これから私が見舞われることになるリスクと不安を解消するための費用としては、安くはないけれども高すぎることもない、と思いました。
そして3については、
判決理由を見る限り、自宅土地建物の簡易査定によって原審の判断を覆すことは極めて困難です。
裁判官の判断を上回る正確な価格を証拠として提出し、事実認定に誤りがあると認めてもらわなければなりません
そのためには不動産鑑定士による客観的な鑑定書か、裁判所に鑑定の申し出を行う必要がある、とのことでした。
けれども、どちらの場合もかなりの費用がかかります。また、費用をかけたとしても、最終的に原審が覆るかどうかは不明です
ジョシー先生は、判決をここで確定させた方がよいという考えなんだろうな、と察しました。
もと夫は「控訴しない意向」
これまでの準備書面や陳述書の攻撃的な文面から、もと夫は絶対に控訴するだろうと思ってました。
しかし、ジョシー先生がベンゴ氏に連絡したところ、もと夫は控訴しない意向であることがわかりました。
あの高額の養育費を払えるの!?
驚きました。
だってね、判決の養育費が確定した場合、もと夫の手取り月収から養育費と住宅ローンを差し引くと、手元にはほとんど残らない計算になるんです。
もと夫はボーナスだけで生活しなければいけないことになります。
やっぱり減額調停を起こすつもりなのでは…
なにか企んでるに違いないと思いました。
早く裁判を終わらせたいそうです
そんな当たり障りのない理由、信じられるわけがありません。
私の決断
ジョシー先生に勧められて、不動産会社に勤めていた友人や不動産鑑定について色々調べた結果…。
控訴することに決めました。
もと夫の自宅土地建物の査定書の、異常なまでの低価格のカラクリがわかったことにも背中を押されました。
こんなの弁護士が主導した詐欺じゃないの!?
とても憤ったし、裁判の間に気づけなかった自分の甘さにも腹が立ちました。
こんな手法を許してはいけない。
ベンゴ氏のような新米の弁護士にこんな歪んだ成功体験をさせてはダメだ!
これから先、自分のような被害者が続出することになる。
強い覚悟で控訴に踏み出しました。