【財産分与】持ち家の不動産評価(3)弁護士の詐欺的手法

Steve BuissinneによるPixabayからの画像 離婚
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こんにちは、ねりきりです。

もと夫は判決で決められた非常に高い養育費を受け入れ、控訴しませんでした。
このことが、逆に私の控訴をあと押ししました。

奴らはこの判決に満足してる。
やっぱり財産分与額を確定させたあとで養育費減額調停を申し立てるつもりだ!

そう思っちゃったんです。

私は自宅土地建物の評価額を不服として、控訴を申し立てました。

【財産分与】持ち家の不動産評価(2)裁判所のバランス感覚?の続きになります。

【財産分与】持ち家の不動産評価(2)裁判所のバランス感覚?
こんにちは、ねりきりです。 離婚裁判で、私ともと夫はそれぞれ不動産会社から取得した持ち家の査定書を提出しました。 …

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もと夫の不動産査定書のナゾを暴く

控訴審の経緯については紆余曲折あったので、こちら↓をどうぞ。
ここでは持ち家の査定に焦点をしぼって書いていきます。
ベンゴ氏のしたことをより多くの人に知ってほしいからです。

判決でもと夫が提出した不動産評価額が丸のみされたことで、私はもと夫が提出した査定書を精査しました。

すると、こんな疑問が浮かび上がりました。

疑問だらけ。もと夫の査定書

依頼者

もと夫の査定書④は、もと夫ではなく、ベンゴ氏が不動産業者に依頼したものでした。(提出の宛先がベンゴ氏になってました)

自宅の土地建物の査定は、普通その住居に住んでいる人が行うものです。

弁護士の依頼だと、不動産業者はその土地建物が何らかの問題を抱えた物件であるという意識が働くもの。
その時点で通常の売買を想定した査定書ではなくなってしまいます。

それに裁判に利用されるとわかって、安易に簡易査定書を提出する不動産業者はいません。(不動産会社に勤める複数の友人知人に聞きました。巻き込まれたくないんだそうです)

そもそももと夫は自宅に居住していたのだから、いくらでも内覧を頼み、より正確な査定を不動産業者に行ってもらうことが可能なはずです。
それなのに、④には内覧を行った形跡もありませんでした。

業者

そもそも④の査定書を作成した不動産業者がナゾでした。

私も査定を依頼するため、いろんな不動産会社の名前を知ることになりましたが、見たことも聞いたこともない業者名だったんです。

そこで④を作成した不動産業者を検索してみようと思い立った私。

驚愕の事実を知ることになりました!

任意売却専門業者!?

任意売却ってご存知でしょうか?

ローンが支払えなくなった住宅が差し押さえられ競売される前に、債権者(多くの場合、銀行)の了解のもと、売却してローン残債を少なくする方法です。

もと夫の査定書を作成したのはなんと任意売却の専門業者でした!

その業者のホームページにはこんな言葉が踊っていました。

「住宅ローン滞納の悩みは任意売却で解決できます」

「株式会社〇〇は任意売却に特化して×年。数多くの任意売却の取り引きをしています」

「弁護士などの専門家とのネットワーク」

競売の場合、市場価格の50~60%程度の価格で取り引きされます。任意売却なら、80%~90%程度の価格で取り引きが可能です」

④の査定書は、初めに算出した土地建物の評価額に0.8(80%)をかけ査定額としていました。
そのためありえないほど安い金額になっていたのです。

「0.8がけ」のナゾが解けました。

④の査定額は任意売却価格だったんです!

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ベンゴ氏の詐欺的手法

私たち夫婦の持ち家は住宅ローンが住宅価格を上回っているオーバーローンではなく、ローン残高が低いアンダーローンの物件でした。
もちろんローンの支払いを滞らせたことなど一度もありません。

任意売却など必要ないのに、なぜわざわざ任意売却の専門業者に査定を依頼したのか。
そしてなぜその査定書のみを裁判所に提出したのか。

悪意しか感じられません

業者もベンゴ氏にだまされて査定書を作成させられたのではないでしょうか。
弁護士という立場を利用して「多重債務者が持ち家の処分を検討しているので参考にしたい」とでも告げたのでは。

持ち家の査定を、オーバーローンでもないのに任意売却の専門業者に頼むなんてこと、一般人には考えつきません。
持ち家を購入したときに、全ての手続きを私に丸投げしたもと夫なら尚更です。

ベンゴ氏が主導したに違いありません。

控訴審での争い

私は持ち家の不動産評価額を不服とし、不動産鑑定士への依頼も辞さないかまえで控訴しました。

一方、もと夫は控訴はしませんでしたが附帯控訴し、ジョシー先生が考えた通り、高すぎる養育費の額を争ってきました。

もと夫はあらたに別の不動産会社(私も知ってる名前でした)の査定書を提出しましたが、宛先はやはりベンゴ氏名。
査定額は安かったですが、さすがに④よりは高額になってました。

一般に知られた不動産会社だったので、私も同じところから査定書を取り寄せてみると。

ベンゴ氏の査定書はベンゴ氏の事務所の最寄の支店が作成していましたが、私の新たな査定書は自宅に一番近い支店。
そして査定額は①の私が最も実勢価格に近いと考えた①の査定書に近いものでした。

附帯控訴とは 控訴は判決の告知を受けた日から数えて2週間以内に行わなければなりません。
いったん判決を受け入れ控訴しなかったけれど、相手方は控訴してきた。だったら、自分も争いたいことがある。
そんな場合に、相手方の控訴に乗っけて再び裁判で争おうとするのが附帯控訴です。
附帯控訴すると、控訴したのと同じように裁判を行えます。
しかし、あくまで「乗っけて」もらっているだけなので、相手方が控訴を取り下げると自動的に附帯控訴もなくなり、原審の判決が確定します。

裁判所の判断

裁判所は判断しませんでした。
和解を勧めました。

不動産鑑定士に依頼したら解決までかなり時間がかかる。
私の考えに近い和解案をもと夫に提案してあげるから和解した方がよいのではないか、と高裁の裁判官に説得されました。

その結果、

不動産評価額は、①の査定額に近い金額に訂正(もと夫がごねたので多少減額しました。怒)。
代わりに養育費の額を下げることに同意しました(それでも婚姻費用より金額が上がりました。いちごが15歳以上になってたし、ポテチの学費が上乗せされたからです)。

財産分与額を上げ、養育費を下げる。

私が望んだとおりの結果になりました。
(かなりの紆余曲折があったんですけどねー)

私の考え

控訴して和解したことで、私が望んだとおりの結果は得られましたが、弁護士費用は余分にかかりました。
離婚の成立も半年延びたしね。

今のところ養育費は払われ続けているし、精神的な平穏を得られたので控訴してよかったと思ってはいますが、高い代償でした。

それもこれも原審で、もと夫とベンゴ氏の詐欺的行為を暴ききれなかったから。

離婚裁判の中で、私が最も後悔していることです。

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