こんにちは、ねりきりです。
裁判所からの和解勧告で、私は話し合いのためにひと月で3回高等裁判所に足を運ぶことになりました。
【離婚裁判体験談】和解勧告と心証開示の続きです。

家族や離婚体験談の人物紹介はこちらをどうぞ。

初めての高等裁判所
家庭裁判所は、自宅から車で10分のところにある、駐車場付きのこじんまりしたビル、という感じの建物でした。
離婚調停から約3年通い続けたため、今ではすっかりなじみの場所です。
(正直、裁判所にこんな風に親しみを感じるようになりたくなかったですw)
高等裁判所は街の中心部にあり、電車で数十分のところでした。
敷地が広く門構えが立派で重厚な造りの建物は、私にとってはテレビの中のような空間でした。

ついにこんなところまで来てしまった
しみじみ思いましたね。
実際、重要な裁判をやっていたのか、テレビの中継車や取材の人たちが集まっている日もあって、ちょっとワクワクしましたwww
和解期日1日目
開始時間より少し早めにジョシー先生と待ち合わせしました。

あら、スーツを着てきてくださったんですね
裁判官と会うからと就活用に買ったものを着ていったのですが、驚かれたみたいです。
法廷で尋問、とかじゃないからもう少しカジュアルな服装でも良かったのかなと思いました。
和解期日の進行は調停と同じように進みました。
待合室で待機していて、時間になるとこちら側か相手方が交互に呼び出されます。
期日が行われたのは「書記官室」という名前の小さな会議室のような部屋でした。
ただし話をする相手は調停委員ではなく裁判官でした。
和解の担当裁判官
高裁は3人の裁判官による合議制ですが、和解を担当するのは裁判長ではなく陪席の主任裁判官(おそらく一番若手の裁判官?)だそう。
私の和解を担当してくれた裁判官は30~40代前半くらいの女性でした(黒い法服を着てるのでイマイチ年齢が読めません)。
裁判官というと雲の上の存在みたいなイメージでしたが、話のわかる女性課長という感じの方でした。
間違いなく「頭がいい人」という雰囲気は漂ってましたが、取っつきにくさはなく、率直にお話してくれました。
心証開示の内容で敵認定してしまってましたが、私と子供たちの今後についてよく考えてくれていることがわかり、考えがあらたまりました。
だから、ジョシー先生は私に参加を促してくださったのかな、と思いました。
裁判官の和解案
養育費について
「判決になると養育費の減額は必至です」
心証開示の内容と同じことを言われました。
第1審の判決では、子ども達それぞれについて年間100万円の学費が認められ、年収の比率に応じて私ともと夫の負担額が決められました。
しかし、この方法は通常の裁判所の手法とは異なっています。
養育費算定表の金額には、もと夫の主張の通り標準的学習費用が含まれています。
養育費に学費負担を上乗せする場合は、それを差し引いてから計算するのが普通です。
そしてやはり、いちごの学費負担は認められない可能性が高いとのことでした。
もと夫がいちごの私学進学に合意した客観的資料がないことも大きな理由ですが、そもそも裁判所は年齢が下になるほど私立を認めない傾向なんだそうです。
つまり、幼稚園・小・中・高校は公立に行きなさい、大学は親が認めるなら私立に行ってもいいよ、ということです。
私が住んでいる地域の私立高校への進学率は全生徒数の約4割なのですが、それでも、だそうです。
地域制は全く考慮されません。
私立の幼稚園に通わせるなんてもってのほか!ということですね。
法律の世界と現実社会の乖離は大きいな、と思いました。
自宅土地建物の評価額について
控訴状に書いた「不動産鑑定の申し立て」について率直な話を聞かされました。
まず、不動産鑑定の費用は約30~50万円、詳細はわからない、と聞いて目が点になりました。
費用を決めるのは裁判所じゃなくて不動産鑑定士なんだそうです。

そうだったの!?
ビックリしました。何もかも裁判所が主導するようなイメージを持っていたので。
「不動産鑑定もねぇ、どんな金額が上がってくるかわからないのよ」
古い物件に高値がついたり、便利な場所でまだ新しい物件が安価だったり、鑑定の結果に裁判官が首をひねることもあるそうです。
それでも判決となると不動産鑑定士が出した評価額を採用することになる。
しかも、これから申し立てると結果が出るまで数ヶ月かかる。
高額な費用と長い時間をかけても、期待した金額にならないこともある。
だからおススメできない、という話でした。
裁判官の考え
「原審の判決はとてもいい内容なんです。養育費がここまで高額になることはなかなかないの。だから、私としてはこの判決を確定してほしいという気持ちです」
ジョシー先生も大きくうなずいていました。
二人とも女性ですから、シングルマザーの貧困に対して問題意識が高いのでしょう。
もちろん私もそうなのですが…。

原判決の確定後、もし相手方が減額調停を起こしたら、養育費が減額される可能性はありますか?
一番気になっていることを質問しました。
「判決で決まった内容は多くの場合尊重されるものです。けれども、絶対に減額されないということはいえません。担当する裁判官の裁量です」

やはり…
通常よりも高額な養育費は減額されるリスクが高いかもしれない、という不安は拭えませんでした。
和解案
「養育費は判決よりも減額になるでしょう。でも、自宅の評価額がこの金額なら納得できるのよね。計算してみましょう」
裁判官が私の主張を元に和解案としての養育費と財産分与額を出してくれました。
「ただし、この計算では相手方が原判決より〇〇万円損することになります。だから、財産分与額を下げてほしいと言われる可能性はあります。でも、ひとまずこの金額を相手方に投げかけてみましょうか?」

お願いします
裁判官が私の希望に沿って考えてくれていることがわかったので、素直にお願いできました。
「それじゃあ、相手方と交代しましょう。呼んできてもらっていいですか?」
離婚調停のときと同じように深々と頭を下げて退出しました。
調停では私ともと夫は顔を合わさないようにそれぞれ別の待合室で待機しましたが、今回は同じ部屋でした。
けれども、待っていたのはベンゴ氏ひとりだけでホッとしました。
もと夫は来てなかったようです。
ジョシー先生が声をかけ、ベンゴ氏が裁判官のいる書記官室に向かいました。
誕生日プレゼント
約20分後、再びベンゴ氏と交代しました。
裁判官によるとベンゴ氏は、今日の提案を持ち帰ってもと夫と相談するが、おそらく財産分与から〇〇円の減額を求めることになるだろう、と言ったそうです。
「それでもよいですか?」

私にとっては損にはならないということなので、それで結構です
そして、さらに希望を伝えました。

私としては今月中に裁判を終わらせたいと思っています。
和解が成立しなければ控訴を取り下げようと思います
その日は私の誕生月の1日でした。
1ヶ月以内に必ずけりをつけます、と決意表明したのでした。
もと夫とベンゴ氏製作による離婚裁判の訴状の作成日は私の誕生日でした。↓

3年前、もと夫から「裁判」という誕生日プレゼントをもらいました。
今度は私が自分に「離婚」というプレゼントを贈ってあげたい、と思ったんです。
私にとってこれ以上のものはないし、もと夫に対しては最高の皮肉でしょう?w
和解期日1日目、私はスッキリした気分で高裁を後にしました。