【財産分与】持ち家の不動産評価(2)裁判所のバランス感覚?

Steve BuissinneによるPixabayからの画像 離婚
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こんにちは、ねりきりです。

離婚裁判で、私ともと夫はそれぞれ不動産会社から取得した持ち家の査定書を提出しました。
その差額はなんと1000万円以上でした!

【財産分与】持ち家の不動産評価(1)私の失敗談の続きになります。

【財産分与】持ち家の不動産評価(1)私の失敗談
こんにちは、ねりきりです。 財産分与で大きな争いの種になるのが持ち家です。 実際、私にとっては離婚裁判の一番の争…

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こんにちは、ねりきりです。 当ブログに時々出てくる登場人物達のご紹介です。 家族 ねりきり 管理人 …
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それぞれの査定額

前回の記事で書いた自宅の査定額の相関図です。

②固定資産税評価額が低額なのはアリとしても、この差に驚きますよね。

ネットの弁護士相談で「双方が不動産会社に頼んだ査定額が違いすぎる。どうなりますか?」という質問をみたことがありますが、せいぜい300万円差くらいだったのに(それでも大きいけどね)。
同じ物件の査定にこんなに差が出るなんて…。

一億円くらいの豪邸ならともかく、フツーの建売住宅なんですよ。
あり得ないでしょ。

③の査定額は高めといっても、この価格帯の中古住宅はチラシでよく見かけました。
物件の条件がもっと良かったのかもしれませんが。

しかし④は、ありえないくらいの低価格でした。
だって、建物価格なんて固定資産税評価額より安かったんですよ。
まるで事故物件みたいな値段の下げ方です。
まともな不動産会社がつける値段じゃないと思いました。

そしてその感覚は……、ある意味当たってました。
一審の時に、そこをもっと追及するべきだったんです。

しかし、私は「双方の出した査定額に開きがある場合は、その中間値をとる」というネットやジョシー先生の話を信じていたので、脇が甘くなってしまったのでした。

悔やんでも悔やみきれません。

裁判所の判断

判断

裁判所は、自宅土地建物の評価額を算定するにあたって、ネットやジョシー先生が言っていた「査定額の中間値をとる」手法は採用せず。
どちらか一方の査定額を選ぶ、という手法をとりました。

そして、採用されたのは④もと夫の査定額。

まさか、でした。

根拠

「一般的な実勢価格と固定資産税評価額及び路線価との間には乖離があることを考慮に入れても、私が提出した評価書の評価額はあまりに高すぎると言わざるを得ない」
「もと夫の査定額の方が固定資産税評価額に近い」

固定資産税評価額は、現実の不動産価格とかなり差があることはわかっているけど、③私の査定額はあまりに高すぎる。
それでいくと、もと夫の査定額の方が固定資産税評価額に近いから採用する、とのことでした。

私は④があまりに安すぎたから、それに対抗するためにわざわざ高めの③を出したのですが。
まさか、それが裏目に出るとは思いもしませんでした。

裁判所の判断はツッコミどころが満載でした!

そもそも固定資産税評価額は実勢価格よりかなり安いもの(地域にもよりますが)。
それだと、安い査定額の方が固定資産税評価額に必ず近くなる。
てことは、そちらの方が信用性が高いと必ずみなされることになる。
つまり、不動産評価額を下げたい側が必ず有利になる、持ち家を取得する方がトクになる、ことになります。

しかもこのとき、もと夫の査定書はなんの疑いもなく信頼されてしまっていました。
査定額の計算方法、導き出した金額に0.8をかけてさらに低額にしている理由。
それらの正当性は一切考慮されませんでした。

裁判官も同じ都道府県内に住んでるだろうに、周辺の物件価格の相場くらいわかるでしょ、と腹が立ちました。

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不動産評価と養育費算出で両者痛み分け? 裁判所のバランス感覚

裁判所は持ち家の不動産評価で、もと夫に有利な判断をしました。
しかし同時に、養育費の算定では私に非常に有利な判断をしてました。

私は、当時日弁連が公表した新算定表をもとにした養育費の算定を求めてました。

裁判所は新算定表の採用は避けたものの、私立大学と私立高校に在学していた子供たちの学費を上乗せして、かなり高額の養育費をもと夫に課しました。

ジョシー先生によると、

ジョシー先生
ジョシー先生

バランスを取ったのでしょう

両者の不公平感をなくすためにバランスを取る。
不動産評価ではもと夫の言い分を聞いてあげたから、養育費は私に譲歩した。

裁判所にはままあること、らしいです。

日弁連の新算定表とは 2016年11月に日本弁護士連合会が旧養育費算定表の問題点を解消するため、提言という形で公表した算定表です。
養育費・婚姻費用の算定額が1.5倍になるということで話題になりました。

私の考え

判決全体からいえば、もと夫の主張はほぼくつがえされ、私が望んだとおりの内容にはなってました。

とはいえ、もと夫の主張はほぼ無理筋、提出した証拠も内容のないものばかりでしたから当然の結果です。

判決書に変なバランス感覚を取り入れられたことは、正直、私にとって迷惑でしかありませんでした。

不動産評価額も養育費も当たり前に判断してくれれば万事解決だったのに。泣

だってね。

持ち家の査定額があり得ないくらい安くなった、ってことは財産分与額が不当に低額になったってこと。
そして、この判決を受け入れてしまえば、分与額はこれで確定になってしまう。
後で文句言ったってダメになるのです。

一方、養育費があり得ないほど高額になったってことは、今後、減額されるリスクがず~っと付きまとうってこと。
裁判が終わって、減額調停を申し立てられたらどうするの。
そもそも養育費ですから、不払いになる可能性だってありえます。

悩みに悩んだ末、私は控訴して持ち家の評価額を争うことにしました。

ジョシー先生
ジョシー先生

控訴したら、必ず相手方は養育費を減額するよう主張しますよ

ジョシー先生に警告されたけどね。
私としてはそれでバランスが正せるなら本望でした。
とにかくリスク回避したかったんです。
だって、私たち家族の今後の生活がかかってるんだもの。

こんなことなら高い費用をかけて不動産鑑定士に依頼した方がお互い納得できたのではないか。
今更ですがそう思いました。

それにもう一つ。

判決を出すのはあくまで裁判官。
弁護士は経験をもとに見解を出しますが、その通りになるとは限らない。

ネットの体験談や弁護士の見解は参考程度にとどめておくべき。
ありとあらゆる可能性を考えて策を講じておくべきだった、と反省しました。
(高い授業料になったわ…。ため息)

そして、控訴審で。
もと夫とベンゴ氏のいかさま査定書④の真相が明らかになるのでした。

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