【弁護士なし離婚調停】私が実際に裁判所に出した陳述書・主張書面(調停案)例

Steve BuissinneによるPixabayからの画像 離婚
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こんにちは、ねりきりです。

離婚調停で提出する書面には、当事者を補助し、調停の進行を促す働きがあると私は思っています。
けれど弁護士なしで調停をやっているため、どんな書面を出せばよいかわからないという方のために、例として私が裁判所に実際に提出した書面を見ていただこうと思います。

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人物紹介
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離婚調停の提出書類

離婚調停で私が提出した書類の例です。
場面に応じて、以下のようなものを出しました。

申し立て時

  • 離婚調停申立書
  • 事情説明書
  • 連絡先等の届出書
  • 進行に関する照会回答書

離婚調停の申し立て書類です。
上記の書面に戸籍謄本・収入印紙・郵便切手を加えて裁判所に提出します。

いずれの書面も裁判所に置いてあり、わからないことがあれば家事受付で書き方を教えてもらえます。

第1回調停 ~陳述書~

内容や形式は決まっていませんし、必ずしも出す必要はありません。
しかし、家族構成や夫婦の年表などを簡潔に書いたものを事前に提出しておくと、調停委員に伝わりやすいし、調停の進行がスムーズになります。

書面作成上の注意点

自分の感情や意見を強調するのではなく、客観的かつ簡潔に事実を書くよう努めましょう。
相手方との間に生じたトラブルや軋轢の内容を細かく書きすぎると、対立が深まり、かえって解決が遠のくこともあり得ます。

離婚調停で提出する陳述書については、こちらの記事(↓)にも詳しく書いているので参考にしてくださいね。

【弁護士なし離婚調停】準備と心がまえ
こんにちは、ねりきりです。 私は弁護士をつけずに離婚調停・婚姻費用分担請求調停(不成立のため審判で決着)を戦いまし…

書面例

以下は私が実際に提出した陳述書です。(わかりにくいところは修正しています)

こうでなければならない、というものではありません。
どうやって書くべきか悩んだ時などに参考にしていただけたら幸いです。


平成〇年(家イ)第〇号
申立人 ねりきり
相手方 もと夫

陳 述 書

平成〇年〇月〇日

〇〇家庭裁判所 家事部調停2係 御中

申立人 ねりきり

プロフィール
□申立人
氏名 ねりきり(ふりがな)
年齢 〇歳
現住所 〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇
職業 診療所受付(パート勤務)
年収 〇万円

□相手方
氏名 もと夫(ふりがな)
年齢 〇歳
現住所 〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇
職業 技術職(正社員)
年収 〇万円(平成〇年分)

□長男
氏名 ポテチ(ふりがな)
年齢 16歳(県立〇〇高校2年)

□長女
氏名 いちご(ふりがな)
年齢 13歳(市立〇〇中学校2年)

□子供たちの状態
二人とも、両親が離婚に同意していることを承知しているが、生活に大きな変化がないため実感はわいていないように見える。
長男よりも長女の方が両親といる時などに気を使っているように思える。

現在に至るまでの経緯
※夫婦の出会いから婚姻、出産、離婚争議の始まり、離婚調停申し立てまで大きな出来事を年表にしました

現在の状況

  • 同居を継続している。
  • 生活費、本人の生命保険料は申立人が負担している。
  • 住宅ローンや光熱費、子供費、申立人以外の保険料などは相手方が負担している。
  • 家庭の預金通帳、銀行カード、子供名義の通帳類は相手方が所持しており、申立人は一切見ることが出来ない状態である。

申立人の希望

  • 離婚の合意は出来ているため、離婚に向けて円滑に話し合いを進めたい。
  • 子供の親権者は妻とする。
  • 夫は妻に婚姻費用として月〇万円を支払う。
  • 財産分与 公平に分割する。
    子供名義の預金、学資保険は全て子供のものとする。
  • 年金分割 2分の1の割合で分割する。
  • その他、養育費、面会交流の時期などについて取り決めたい。

以上

調停中~主張書面(調停案)~

調停が始まってから裁判所に提出する書面は、以下のようなものになります。

  • 主張書面 主張、言い分、意見、希望などをまとめたもの
  • 資料 主張や言い分を裏付けるもの(財産資料や年金分割資料、証拠など)

私は「調停案」というタイトルで書面を提出することが多かったです。(「主張書面」でも全然よかったと思います)
自分の言い分や希望を書いているという点では主張書面に近いのですが、裁判に提出する長い文章ではなく、ビジネス文書やプレゼン資料のように箇条書きで簡潔を心掛けたものにしてました。
調停の進行を助ける会議資料のようなイメージですね。

審判や裁判を経験した今では、調停委員あての書面はそれで良かったと思っています。(裁判官あてには長い文章の主張書面で良いかも、と思います。そちらの方が読み慣れてるでしょうから)

調停委員に指示された資料を揃えていけば十分で、「主張書面」や「調停案」等の提出は必要ない期日もあると思います。(大量の書面を出し過ぎると、読むのも大変だし嫌がられるような気がします。汗)

財産資料など提出する分量が多い場合は、目録などを添えると親切かもしれません。

書面作成上の注意点

裁判所に提出する書面は相手に閲覧やコピーされることを前提に作成してください。
相手に見られたくない資料は非開示にしたり、部分的に黒塗りにしたりするなどしましょう。

提出された書面は、調停が審判に移行するときは裁判官の判断材料になるし、離婚裁判で証拠として利用されることがあるかもしれません。
自分にとって不利になることは書かないように、記載する内容には十分注意してくださいね。

陳述書と同じく、感情的な文章や相手を責める言葉遣いはできるだけ避け、自分の希望する離婚条件などを淡々と書くようにしましょう。

参考:裁判所|調停で書類を提出される方へ

書面例

私が第4回離婚調停(↓)で実際に提出した書面です。

弁護士なし離婚調停⑫第4回離婚調停 反撃!もと夫に放った3本の矢
こんにちは、ねりきりです。 弁護士なし離婚調停⑪反撃の準備 弁護士相談で元夫のたくらみをぶっ壊す(2)の続…

弁護士相談で見てもらったときには「弁護士なしでもちゃんと対抗できてる」と言われたし、別の弁護士相談で主張する内容や方法を練ったものでもあるので、参考にしていただけるんじゃないかと思います。
ご自分なりの書面作りに役立ててくださいね。

見本としてわかりづらいところは端折ったり修正したりしています。


平成〇年(家イ)第〇号
申立人 ねりきり
相手方 もと夫

調 停 案

平成〇年〇月〇日

〇〇家庭裁判所 家事部調停2係 御中

申立人 ねりきり

第3回離婚調停で決定した事項とその後

  • 妻は子ども達が妻宅を訪問する日時、帰宅が遅くなった場合の対処について子ども達と相談し、取り決める。
    →子ども達と相談し決定しました。取り決めた内容は夫に連絡しています。
  • 夫は妻に対して、攻撃的な発言・メール等を控える。
    →夫は代理人を立てていますが、妻への連絡は相変わらず夫から来ています。
    メールでのやり取りが感情的になることもしばしばです。
  • 妻は携帯電話の名義変更について調査する。
    →夫と妻が二人で携帯ショップに赴く必要があるとのことです。
  • 次回調停にて、夫と妻は直近3か月分の給与明細、共有財産の預貯金明細について離婚争議が開始した〇年〇月以降の写しを2部ずつ提出する。
    →本日、提出します。(別紙資料1)

申立人の主張
□離婚に際しての希望条件
左は前回夫が提示した離婚条件、右は妻の希望です。
各項目の詳細については後述の通りです。

項目

婚姻費用

赤字のため\15,000しか払えない婚姻費用算定表に基づき〇万円の支払いを求める

親権

夫がもつ妻がもつ

面会交流

月1回などの固定の日。
事前に連絡の取り決めを行う。
子ども達は会いたいときに父親に会ってかまわない

財産分与

夫7、妻3の割合で分割する1/2の割合で分割する

年金分割

適正に対応する1/2の割合で分割する

慰謝料

〇万円の支払を求める

□婚姻費用
第3回調停で夫が提出した資料には多数の誤りが見られました(別紙資料2)。
婚姻費用の算定に、夫の赤字支出や妻の特有財産は関係ありません。
夫婦の収入と現在の状況から、算定表に基づき〇万円の婚姻費用の支払いを求めます。

□子供の親権/面会交流について
夫は子ども達の親権を持ち、私と子ども達の面会交流を月1回にすると主張しています。
しかし、妻は別居後も夫の制限を受けつつ、子供たちの養育のかなりの量を担っています。
現在、夫は帰宅時間を早め、家事を行っているようですが、今後妻の助けなしで、子供たちを養育できるのでしょうか? 仕事に支障をきたすことはないのでしょうか?
親権を持つにあたって、これからの子供たちの生活について、夫がどのような考えをお持ちなのか、以下の事柄について具体的なプランを示していただきたいと考えます。

生活

妻の助けなしで子供たちの生活をフォロー出来ますか?

学習のフォロー

長男と長女は来年受験生になります。
長男の高校受験は、妻が学習指導を行いました。
長女は、中学入学以来、妻が勉強を見ています。
夫はこれからどのようにフォローするのでしょうか?

進学について

子供たちの進学先についてどういった考えをお持ちですか?
子供たちはどのように言っていますか?
進学費用はどのように捻出する予定ですか?

授業参観・家庭訪問・個人懇談

平日に行われますが参加できますか?

学校行事

入学式、卒業式、音楽会、文化祭…など平日に行われますが参加出来ますか?

長期休暇の時

この夏休みは妻がかなりフォローしました。
今後はどうする予定ですか?

残業時の子供の監督

同居中、夫は帰宅が夜0時前後になることもしばしばありましたが、今後はどうですか?

出張時の子供の監督

夫は月に数回出張がありましたが、子ども達はどうするのですか?

子供が病気になった時

会社を休んで病院に連れて行けますか?看病出来ますか?

10

通院

平日、病院に連れて行けますか?

□財産分与/年金分割について
1/2の割合で分割を希望します。
正し、以下の通り考慮をお願いいたします。

  • 持ち家の購入にあたり妻の両親が頭金を出してくれています。考慮願います。
  • 子ども達名義の預貯金、学資保険全て子供のものとしてください。

□慰謝料・解決金について
〇万円の支払を要求します。

以上

調停に書面を提出する目的

私が離婚調停で積極的に書面を提出していたのは以下のような目的からでした。

自分の考えを漏れなく伝える

弁護士なしで挑む調停では、落ち着いた状態で、調停委員に伝えたいことを漏れなく話すのは至難の業です。
また、調停委員との意思疎通が上手くいかず、主張の聞き間違いや、取り違いが起きることも十分考えられます。

あらかじめ自分の主張を整理した書面を作成しておくことで、これらの問題を最小限に抑えることができます。

調停を進める

人はなぜか書かれたものに沿って話を進めてしまう傾向があるようです…。(いや、マジで)

話し合うべきことを簡潔にまとめた書面があると、多くの場合、調停委員はそれを見ながら話をしてくれます。

書面は調停を進める助けになる、と私は思っています。

証拠を残す

調停委員は調停中にメモを取っていますが、裁判の証人になることはないし、そのメモが提示されることもありません。
それを知ってか知らずか、調停と裁判で全く違う発言をする人もいます。ひどいですよね。

調停開始前、私はもと夫が過去の不貞行為をなかったことにしようとしている意図を感じていました。
そのため、調停で不貞を否定していない事実を記録しておきたいと思いました。

実際、もと夫は調停では不貞行為を否定していなかったのに、婚姻費用審判になってからはハッキリ否定し始めました。
発言が矛盾していたことから、審判で不貞行為が事実であると認められましたが、裁判でも同じ主張を続けました…。

離婚裁判で、私が提出した書面を利用しようとしたのはどちらかというともと夫とベンゴ氏で、しかし、使い方が悪かったため証拠として採用はされませんでした。
調停資料の証拠能力はさほど高くないのかもしれません。

しかし、書面は調停でどんなことを話し合ったかという記録になるし、「言った、言わない」を防げると思うので、有用性は高いかなと思っています。

書面の作成は面倒な作業ではありますが、それに見合う価値はあると思います。

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