こんにちは、ねりきりです。
更新がしばらく空いてしまいました。汗
実は、別居後に中古で購入して以来ずっと使ってたノートパソコンがWindows7だったため、初売りでやっと新調しまして。
起動やファイルを開くのにかかる時間が劇的に短縮したのは感動だったんですが、キーボードに慣れなくてイライラ~。
文章を書くのに異常に時間がかかっております。泣
さて、財産分与の話が続きます。
家族や離婚体験談の人物紹介はこちらをどうぞ。
財産分与の清算割合と基準日
財産分与の清算割合は、夫婦が結婚している間に築いた共有財産をどんな風に分けるかというもの。
基準日は、いつからいつまでの夫婦の収入・財産が財産分与の対象になるのかということです。
基準日が一日ずれると、財産の金額が大きく変わるなんてこともありえますからね。
(給料日の前後や大きな支払いの前後に別居したとか、で)
これらは特に法律では決められていないようですが、実務上適用されているルールがあります。
清算割合
「2分の1ルール」というものがあって、ほとんどの場合、財産分与にはこれが適用されます。
結婚後に得た夫婦の財産は、夫婦が協力して築いたもの。
たとえ妻が専業主婦で直接お金を稼いでいなくても、家事や育児を担うことで夫が収入を得るのに貢献したと考えられます。
夫婦は夫婦生活においても財産に対しても対等。
だから、財産を分けるときも公平に半分ずつに分けましょうということです。
ただし、「2分の1ルール」が当てはまらない場合もあって。
一方が経営者だったり、特別な才能を持ってたおかげで多額の財産を築いたといえる場合、財産に対する貢献度が明らかに違う…と考えられるため、清算割合が変わることもあります。
基準日
財産分与の基準日は、通常、夫婦が別居した日になります。
夫婦は同居している間は協力して財産を築いているけれど、別居した時点で協力関係がなくなったと考えられるからです。
しかし、これも2分の1ルールと同じで、必ずしも全ての夫婦に当てはまるわけではありません。
別居していても家計が同じと考えられる場合(妻が夫の給料を預かって生活費を渡している、とか)、別居する前から家計は完全に別だったと考えられる場合(同居してても夫婦が合意の上で家計を別にした、とか)は基準日が移動したりします。
ただし、夫婦ともこれに納得していれば問題ありませんが、どちらか一方が認めない場合は、裁判では立証が必要になるでしょう。
実は私の離婚では、もと夫が原則をくつがえそうとしたため、こんなところでも揉めることになりました。
私の場合
2分の1ルールも基準日も原則が適用されて当然と私は考えていましたが、もと夫はそうではありませんでした。
無理筋の主張をして、原則を変えようとしました。
財産の取り分を少しでも増やそうとしたんです。
もと夫の主張
清算割合
調停ではもと夫7:私3、裁判ではもと夫6:私4の割合で財産を清算すべきと主張しました。
(なぜ数値を変化させたのかは謎です。いくらなんでも7:3は取りすぎだ、とでも考えたのでしょうか)
もと夫はIT技術者で、年収は世代平均を少し超えるくらいでした。(世間がイメージするIT技術者ほどの高額年収ではないです。全く)
しかし、もと夫は勤務先で高い収入を得ることができたのは、結婚前に取得した資格が評価されたからだ、と主張しました。
さらに、私は長年専業主婦だった上、家計管理に問題があった。
財産形成に対する協力もなかった。
だから、財産分与はもと夫は多く、私は少ない割合で清算すべきである、と主張しました。
基準日
財産分与の基準日は別居日ではなく、私が引っ越しの申し込みを完了し別居を決定した日(別居日の約2週間前)にすべきである。
その日以降、もと夫と私の家計管理は別々に行われていた、もと夫が支払った生活費は立替払いで、私はあとで清算することに合意していた、と主張しました。
もと夫は離婚調停の終盤から「もと夫が私のために費やした費用の清算」をもとめてました。
しかし、「費用」の多くは同居中にもと夫が支払った車検代や保険料やプリンタインク代など。
普通、夫婦の共有財産から支払ったと考えるべきものでした。(こちらに費用の詳しい内容を書いてます↓)
もと夫は「費用の清算」を正当化しようと、財産分与の基準日を2週間早める、という無理筋な主張をしたのでした。
根拠
もと夫の主張の根拠として提出されたのは、以下のようなものでした。
- もと夫の給与明細、源泉徴収票
- 勤務先の株価情報のウェブサイトを印刷したもの
- もと夫が結婚前に取得した資格の証書のコピー
- 勤務先の社員の世代別平均年収を分析したウェブサイトを印刷したもの
- 勤務先社員の世代別年収と自分の年収を比較して、グラフ化したもの
- 別居のために賃貸住宅の契約を結んだので〇日に引っ越します、と私がもと夫に報告したメール(をダウンロードして印刷したもの) などなど
これらの資料で立証できるのは、もと夫の年収、もと夫が結婚する前に複数の資格を取得したこと、もと夫の年収が同世代の社員より高いこと、私が引っ越した日程くらい。
もと夫の主張を裏付けるものは一つもありません。
もと夫とベンゴ氏にはそれがわからないんでしょうかね。
もと夫の給与明細に「資格手当」という項目でもあったら少しは信ぴょう性があったのかもしれませんが。
私の主張
清算割合
もと夫が列挙した資格は、今の勤務先に転職する前の職場で、講習会に参加させてもらうなどして取得させてもらったもの。
IT業界は技術の移り変わりが激しく、各企業が認定する資格も無数にある。
IT技術者が複数の資格を持っていることは特別なことではなく、その証拠に、前の職場でもと夫と同期入社だった私も、同様の資格を複数持っている(資格の証明書を提出しました)。
したがって、これらの資格が夫婦の財産形成に貢献したという証拠はない。
また、結婚している間に私が「専業主婦」だった期間はほんのわずかで、出産の前後も何かしらの仕事についていた。
そもそも、たとえ専業主婦であったとしても、もと夫に比べて財産への貢献度が劣るとはいえない。
提出している家計簿等の資料や、現在の資産状況からも、私の家計管理に問題がなかったことは明らかである。
したがって清算割合は原則通り、もと夫5:私5にすべきである。
基準時
別居前に、夫婦の家計が別々に管理されていたという事実はない。
別居日まで私は家族の生活費を負担していたし、家事や育児を担っていた。
(その根拠として、別居数日前の食事についてもと夫としたメールのやりとりや、スーパーで生鮮食料品を購入したレシートなどを提出しました)
したがって、財産分与の基準日は原則通り、夫婦が別居した日にすべきである。
裁判所の判断
清算割合
証拠によれば、もと夫は確かに結婚前の数年間に複数の資格を取得したことが認められるが、これらの資格が資産形成に大きく貢献したことを認めるに足る証拠はない。
私の家計管理に問題があった結果、資産の管理・形成ができなかったことを認めるに足りる証拠はない。
したがって、夫婦共有財産の清算割合は原則どおり2分の1ずつとすべきである。
基準日
別居日前に、家計管理が別々に行われたことを認めるに足りる証拠はない。
したがって、私が家を出て別居を開始した日を基準日とすべきである。
私の考え
もと夫の主張は、当たり前に一蹴されました。
そりゃあね、年収がン千万、ン億単位で、清算割合を変えたとしてもどちらも高額の財産を得ることができるとかならともかく、フツーの会社員じゃそりゃ通らないわ。
私がここで伝えたいのは、裁判で無理筋が通ることはない、争うだけ時間のムダ、ってことです。
特にモラハラ気質の人は自己評価が高く、自分の言うことは正しいと信じこむ傾向にあるみたいです。
しかし、あなたの常識は世間の常識ではない、ということに気づいてほしいです。
その方があなたにとっても得なはずです。
裁判になれば常識的に原則が適用されます。
無理筋な主張をしても、意味のない証拠を大量に出しても、通ることはありません。
逆に、理不尽な要求をされてる人は、それを受け入れる必要は全くないってことも知っておいてほしいのです。
裁判所はそんなもの認めませんから。
恐れる必要はありません。
ムダな争いをして、裁判までいったら多額の費用がかかるだけですよ。
さっさと協議で決着をつけましょう。