こんにちは、ねりきりです。
私は弁護士をつけずに離婚調停・婚姻費用分担請求調停(不成立のため審判で決着)を戦いました。
ここでは私の経験を踏まえて、弁護士なしで離婚調停を戦うための準備や心がまえについてお話したいと思います。
離婚調停を申し立てる前にやること
情報収集
知らないことって怖くないですか?
まずは離婚調停について徹底的に情報を集めましょう。
離婚調停がどんな風に進むのか、費用はいくらかかるのか、どんな人と何を話すのか、最終的にどうなるのか、知っていれば事前に対策出来ますし、気の持ちようも変わってきます。
ただし、これからあなたに起こることがネットの記事そのままだとは思わないでくださいね。
100組の夫婦がいれば、100通りの離婚があります。
一見似たような事例に見えても、夫婦の歴史も違えば、担当する調停委員も異なります。
必ずしも同じ経過をたどるとは限らないんです。
これまでの経緯を文書にする
夫婦の歴史、問題が起こったきっかけ、これまでの経緯などを文書にまとめましょう。
パソコンで作成すれば、弁護士相談に持っていけますし、調停で提出する陳述書にも使い回せます。
自分が置かれた状況をあらためて見つめるきっかけにもなります。
どんなことを書くかは、下の陳述書の欄を参考にしてくださいね。
弁護士相談に行く
自治体や各都道府県の弁護士会が無料相談を行っています。
初回相談無料の法律事務所もあります。
上で書いた文書を持って、専門家の意見を聞きにいきましょう。
弁護士と顔を合わせて話すことで、調停で調停委員と話す練習になります。今後のために必ずプラスになるはずです。
これからの指針になるようなアドバイスももらえると思います。
無料相談はたいていの場合、予約が必要です。
自治体のものは混んでいることもあるので、思い立ったら早めに予約してしまいましょう。
離婚調停を申し立てたらやること
離婚調停の申立手続きや細かい流れなどについては、家庭裁判所や法律事務所など詳しく説明しているサイトや本がたくさんあるので、ここでは省きます。
参考:裁判所|夫婦関係調整調停(離婚)
離婚調停を前に、私たちが裁判所と離れたところでやっておくべきことについて書いていきます。
調停委員対策
離婚調停のキーパーソンはなんといっても調停委員です。
調停中、相手方(法律用語で、こちら側ではない相手のことをこう呼びます)との話合いを調停委員が仲介して行うからです。
調停で決断を下すのは当事者なので、調停委員は何の権限も持っていません。
しかし、話合いがどう進むかは調停委員によるところが大きいので、調停を自分に有利に運べるかどうかは調停委員次第ということになります。
調停委員とは
裁判所のサイトではこう説明されています。
…家事調停では,夫婦・親族間の問題であるため,男女1人ずつの調停委員を指定するなどの配慮をしています。
参考:裁判所|調停委員
つまり法律の専門家でない方もいるということ、男女一人ずつの社会経験豊富な方が選定されているということです。
彼らときちんとコミュニケーションを取れることが、調停の行方を左右します。
陳述書を作成する
戦いは調停前から始まっています。
まだ会ったこともない調停委員に自分をよく思ってもらうために、最も効果的なのが陳述書です。
期日前に、必ず陳述書を提出しましょう。
陳述書とは
当事者の思いをまとめたものです。

裁判所に提出する書類なんて書けないわ
気負わなくて大丈夫です!
私たちは弁護士じゃありません。
素人なんですから、立派な書式や文章なんて初めから求められていません。
調停委員が読んで、わかりやすい内容でさえあればいいんです。
陳述書のメリット
前もって落ち着いた環境で準備出来る
初めての裁判所で、初対面の調停委員を前にプレッシャーを感じない人なんているでしょうか。
当日、緊張して何も話せない、なんてこともあり得るわけです。
先に陳述書を提出しておけば、漏れも防げるし、気持ちが楽になります。
調停委員に調停前から自分のことをわかってもらえる
あらかじめ夫婦の問題点を把握してもらえるので、すぐに話を進められます。
結果として、調停が早く終わります。
記録が残る
調停委員はメモを取っていますが、それが開示されることはないし、裁判に移行しても調停委員は証言してくれません。
しかし、調停に提出した書類はきちんとハンコを押されて裁判所に保管されます。
もし裁判になったとき、何が利用できるかわかりません。
記録は重要だと私は思います。
陳述書テンプレート
決まりはありませんが、ある程度、形式にのっとった方が親切かもしれません。
私は大体こんな感じで書きました。
(事件番号。調停期日通知書に書いてます)
陳 述 書
令和〇〇年〇〇月○○日
〇〇〇〇家庭裁判所 〇〇係御中
あなたの名前 印
プロフィール
申立人 氏名・年齢・現住所・職業・年収
相手方 氏名・年齢・現住所・職業・年収
子ども 長男 氏名・年齢・学校(県立とか私立から始めました)
長女 氏名・年齢・学校(市立とか私立から始めました)
子ども達の心身の状態(両親の離婚についてどう考え、今後どうしたいと思っているか)現在に至るまでの経緯(年表形式で夫婦の出来事や離婚のきっかけなどを具体的に書いていきます)
〇〇年〇月〇日 出会い(どのように出会い、結婚に至ったか)
△△△年△月△日 結婚
↓
↓(どのような事件が起こり、調停申立に至ったか)
↓
××年×月×日 離婚調停申し立て
現在の状況
(同居の有無、生活費の負担をどうしているか、夫婦の財産の状況など)
申立人の希望
(子どもの親権・養育費・慰謝料・財産分与・年金分割等について具体的に)
フォントは明朝体、フォントサイズは12(中高年の調停委員が読みやすいように配慮しました)
枚数は3~5枚程度(長くなり過ぎないように。ちなみに私は4枚でした)
陳述書の注意点
出来るだけ箇条書きに、要点がわかるように書きましょう。
感情的にならないように、相手方を責める言葉をつらねないようにしましょう。
かえって自分の人間性を貶めることになってしまいます。
陳述書の提出
当日、調停委員に渡すことも出来ますが、その場で読んでもらうことになるので時間のロスになります。
調停の期日前に、裁判所に提出しておきましょう。
前もって提出する場合、郵送か直接持ち込む方法があります。
郵送の場合は、封筒に事件番号を書いて、担当書記官宛て(調停期日通知書に書いてます)に送りましょう。
持ち込む場合は離婚調停を申し立てた家事受付でお願いしましょう。
どちらの場合も、陳述書は相手方用・裁判所用の2部提出します。
原本はご自分で保管してくださいね。
調停当日は自分用の陳述書を持っていきましょう。
離婚調停当日の準備
服装
中高年の調停委員に好感を持ってもらえるよう、常識的な服装を心がけましょう。
華美な服や、ブランドものなどは避けた方が無難です。派手な生活をしている印象を持たれるかもしれません。
仕事でスーツを着られる方はそれでいいと思います。
ちなみに私はスーツがなかったので、半袖ニットにスカートと低めのパンプスという格好でした。(調停が暑い時期だったから)
Tシャツやジーンズなどのラフな格好は避けました。
持ち物
調停期日通知書(次回期日が決まったらここに日程が書き込まれていきます)
申立書の控えなど裁判所から送られてきた書類と提出した書類の控え等
メモ・筆記用具
スケジュール帳(次回期日を決める時に、予定がわかるようにしておきましょう)
身分証明書
印鑑
スマホ、本など退屈をしのぐもの(調停室に入るのは一人ずつなので、自分の順番じゃないときは待ち時間が長いです。気を紛らわせるものを持っていきましょう)
その他、裁判所から準備するよう指示されたもの
遅刻厳禁
当日落ち着いて対応するためにも、遅刻しないようにしましょう。
家事受付で調停期日通知書を見せると、待合室に案内してくれます。
時間が来たら、調停委員が呼びに来ます。
心を落ち着けて待ちましょう。
調停室に入ったら、まず丁寧に挨拶をしましょう。
言葉を発することで気持ちが落ち着きます。
話し方
調停委員の目を見て、ゆっくり話しましょう。
どんなことを言われても、どんな話を聞かされても冷静を心がけましょう。
泣いたり、怒ったりして話が進まないのが一番困ります。
理不尽な提案をされても、受け入れる必要はありません。
迷ったら、すぐ返事をせず「次回の期日までに考えます」と先延ばししましょう。
調停が終わった後で、弁護士相談などで対処の仕方を相談すればいいです。
深く考えずに返事をしないように、くれぐれも注意してくださいね。