こんにちは、ねりきりです。
判決文の内容の続きです。
家族の今後を決める非常に大切な判断が下されました。
【離婚裁判体験談】判決文(2)損害賠償請求のゆくえの続きです。
家族や離婚体験談の人物紹介はこちらをどうぞ。
親権について
以下、裁判所の判決です。
※原告をもと夫、被告を私と書き換えて、わかりやすくしています。
事実認定の通り、子らは自らの判断で、もと夫の元から私の元に転居し、いずれも私の元で生活することを希望している(子ども達の陳述書より)。そして、現在の私の監護状況には格別問題は認められない。よって、子らの親権者は私を指定するのが相当である。
もと夫は、私が子らにウソをついて家族関係を破壊したとか、子らに陳述書を書かせて紛争に巻き込んだ等と主張し、私は親権者として不適格と主張するが、もと夫が主張する事実を認めるに足る証拠はない。
「家族関係の破壊」はただの言いがかりだし、子どもたちを紛争に巻き込んだのはもと夫ですからね。
もと夫の主張は一切認められませんでした。
養育費について
主文(↓)の通り、養育費はなんと算定表の2倍の金額になりました。
新算定表(日弁連のもの)は採用されませんでした
この裁判で、私は2016年に日弁連が発表した新算定表の使用を裁判所に求めていました。(注:2019年12月に裁判所が公表した新算定表とは違うものです)
日弁連の新算定表は、従来の算定表がひとり親家庭の実情にあっていないという問題意識から作成されたもので、これを用いると養育費がかなりの高額で算出されます。
しかし、実は私、この新算定表が裁判で採用されるとは全く思っていませんでした。
日弁連の算定表については賛否両論があり、支払い義務者の負担が大きすぎると批判する弁護士もいたくらいだったからです。
それでも、私がそんな主張をしたのは前例を作るため。
シングルマザーの貧困問題に少しでも役に立てれば、という思いからでした。
そして、やはり私の判決で新算定表は採用されませんでした…。
その理由は、
従来の算定表は実務上合理的な算定方法とされているものだから
裁判所は殻を破ることを嫌ったのでした。
学費の上乗せ
養育費は従来の算定表によって、従来通りの額に決められていました。
それではなぜ養育費が最終的に高額になったかというと、学費が上乗せされたからでした。
当時、長男ポテチは私立大学生、長女いちごは私立高校生。
裁判所の算定表が想定しているのは公立学校に通う場合ですから、2人とも私立ということで増額されたのです。
その額、なんと、1人につき年間100万円!
これをもと夫と私の年収に応じて按分した結果、養育費が算定表の2倍になったのでした。
……ただし。
この算定は色んな問題をはらんでいました。
それについては今後書いていく予定ですが、この結果は色んな意味でイレギュラーなケースなので、こんな算定を裁判所がすることはほぼないと考えてくださっていいと思います。汗
年100万円の学費なんて、私立大学に通わせたら絶対にこの金額じゃ収まらないので、決して高くはないのですが、普通はこんなにもらえないのよ。
それはそれで、なんだかなあ…な話なのですが。
支払い終期
養育費の支払い終期は、ポテチもいちごも4年生大学卒業まで認められました。
ただし学費の上乗せは、すでに大学生だったポテチは大学卒業時まで認められたものの、高校生だったいちごには高校卒業時までしか認められませんでした。
裁判所「長女が大学に進学するかどうかは未確定であり、その学費も不明であるから、大学の学費まで加算することは相当でない。大学入学後に養育費の増額申立てをするべきである」
私ももと夫も4年生大学が最終学歴で、いちごももちろん4年生大学への進学を目指していたのでしたが、裁判所は実際に大学に進学してから養育費増額請求調停を申し立てるよう促すにとどめました。
裁判所は未来の学費を認めてくれません
まあね、いちごが大学に進学しなかったり、短大や専門学校に通う可能性もあるわけだから、未来の学費を認めるわけにはいかないという裁判所の立場もわかるのですが。
融通が利かなすぎ!
当時、いちごは4年生大学への進学を目指して勉強しており、国公立大にいけるほどの学力はなく(泣)、となれば私立の4大に通う未来はほぼ確定していたのに。(実際、その通りになったしね)
当事者の立場としては、子どもの進学が決まって喜ばしいときに、また学費のことで裁判所で争うなんて事態は避けたいもの。
子どもにとっても心理的に負担ですよね。
それでも、裁判所は未来の学費は認めてくれません。(相手が容認している場合はその限りではありませんが)
「子の福祉」が大事なんじゃないの!?
文句の一つも言いたくなります。
私の考え
親権と養育費について、裁判所の判断はほぼ私の望んだ通りになりました。
日弁連の新算定表は採用されなかったものの、養育費の金額は新算定表を元にして私が求めた金額に近いものでした。
こんな額、絶対に認められないだろうな~
と思ってたんですけどね。汗
しかし、それだけに波乱含みで、結局、私は控訴することになったのです。
裁判は一筋縄ではいきません。汗
いちごの大学の学費が認められなかったのも、予想はしていましたがガッカリでした。
裁判は融通が利きません。
これも私が離婚裁判をおススメしない理由の一つです。
協議離婚や調停ならば、双方の話し合いで、子どもがまだ高校や大学にも進学していないうちから学費の取り決めを行うことが可能です。
その方が将来の争いを避けられるし、誰にとってもメリットが大きいはず。
子どもの未来のために、お互いが譲り合って親の責任を果たしたいものです。
……私ともと夫は無理でしたけどね。泣