こんにちは、ねりきりです。
私の離婚裁判で、もと夫は浮気していないと言い張りました。
けれども、裁判所はもと夫の不貞行為を事実であると認定しました。
ここでは私がどんな証拠を提出し、どんな風に主張を展開して、もと夫の浮気を立証したかを書いています。
家族や離婚体験談の人物紹介はこちらをご覧ください。
離婚の証拠探し
離婚裁判において、証拠探しするのはほぼ自分です。
テレビドラマなどでは、弁護士が探偵ばりにあちこち動き回って証拠を集めますが、普通はあんなことしてくれません。(例外はあるかもしれないけど…)
そもそも離婚は夫婦の問題。
2人の間で起こった出来事なんて他人にはわかりませんから。
離婚の証拠は自分で探さないといけないんです。
自分が持ってるもので役に立つものはないか、見極めるのも自分です。
(もちろん弁護士は色んなアドバイスをしてくれると思いますが)
もと夫の場合
もと夫は裁判に証拠価値のないものを大量――――に出してきました。
素人目にも、もと夫の主張を裏付ける能力のないものばかりでした。
ジョシー先生いわく、ベンゴ氏はもと夫の言いなりになっているのではないか、ということでした。
もと夫の言い分を精査せず、そのまま書面を書き起こして、証拠の選別もせず、「出せ」と言われたものを出してるんじゃないかと。
ときどきそんな弁護士もいるみたいです。
楽なんでしょうね。
言われた通りにやるだけなら考える必要もないし、結果が悪くても文句を言われないですむし。
でも、そんな弁護士を雇って損をするのは依頼人です
変な弁護士に委任しないよう、いたずらに裁判を長期化させないよう、依頼人も努力しなくちゃいけませんよね。
もと夫の主張
過去の不貞行為についてもと夫は以下のような主張をしました。
もと夫が裁判で認めたこと
- 勤務先で知り合った女性と知り合い、数回会った
- その女性とメールのやりとりをしていた
- 女性と同じホテルに宿泊した
- その当時、私に謝罪をした
- 私ともと夫の間で離婚を前提に話し合いが行われた
- 話合いの結果、離婚しないことに決まった
- その条件として、もと夫が自分の両親に全てを告白する、反省の証しとして坊主にする、血液検査を受ける、等を実行した
- 私の母親に謝罪し、姉の墓参りに行った
もと夫の言い分
女性と同じホテルに宿泊はしたが、彼女と交際していたわけではないし、不貞行為にも及んでいない。
婚姻費用分担請求でもと夫の不貞行為が認定されたあとは、「当日は泥酔していたため同じホテルに宿泊したものの、不貞行為にはいたっていない」という主張を付け足しました。
4年前、私に謝罪し7の条件を飲んだのは、浮気したからではない。私にいやな思いをさせたことを謝っただけだ
全てデタラメです。
5の話合いは、結婚当初から妻が性行為を拒否し、両親と絶交し、経済的虐待されていた(毎月おこづかいという名目で3万円を渡されていたが、実際は生活費であり不足していた)から離婚の話し合いになった
もと夫の両親とは、ある時期からほとんど行き来しなくなりましたが、絶交まではしていません。
もと夫のおこづかいはもっと多かったです。それに「おこづかいは生活費?」「足りないから経済的虐待?」 なんのこっちゃ、です。
私の主張
私が提出した証拠
もと夫の告白メール
もと夫の浮気が発覚した時にやりとりしたメールです。
内容はこんなでした。
(浮気した日は)女性が予約していたホテルの部屋に泊めてもらいました。後悔してますが謝ることしかできません。もう会いませんが悪いのは僕なのでどうなっても仕方ありません…
これについてもと夫は、メールには「女性とホテルに泊まった」と書いているだけで、「不貞行為に及んだ」とは書いていない、と反論しました。
往生際が悪いですね
婚姻費用分担請求の審判書・決定書
もと夫の説明が合理的でない、という理由で不貞行為が認定されていました。
裁判所は個々の事案で判断が食い違うことを良しとしません。
離婚裁判でも、婚姻費用分担請求と同じ認定をされることが期待できました。
審問調書
婚姻費用分担請求の審問の内容を、事務官が書いたものです。
家庭裁判所の家事受付でお願いすれば、謄写できます。
婚費の審問のときはもと夫は「泥酔していた」と言ってませんでした。
もと夫の証言が変遷していて信用できないことを証明するため、本人尋問のあとに提出しました。
私の戦略
もと夫の浮気が発覚した当時、証拠は山ほどありました。
けれど「どうせ時効になるし…」という気の緩みで保管が甘く、もと夫にほとんど処分されてしまっていました。
気付いた時には手遅れ…だったのですが、まだ同居していた頃、私はもと夫に他にも証拠があると匂わせていたのでした。
婚姻費用分担請求では、唯一持っていた証拠であるもと夫の告白メールを提出しました。
もと夫にとっては想定外だったのでしょう。
彼の理論武装にほころびが生じ、結果的に、もと夫の浮気が事実認定されました。
裁判が始まって、私はジョシー先生に「初めに提出する証拠は最小限にしたい」とお願いしました。
もと夫に、私は「まだ手の内を明かしていない。もっとたくさんの証拠を持っている」という印象を与えるためです。
狙い通り、私が羅列した当時の出来事について、もと夫は全てを否認することができませんでした。
だって、否認したあとで私がそれを覆す証拠を出したら、裁判官に「うそつき」認定されて不利になりますから。
私が持っていた決定的証拠はもと夫の告白メールだけでしたが、最大限、有効活用できたと思います。(というか、結局、真実はひとつだけです)
裁判所の判断
もと夫は、酒に酔った状態で女性とともにホテルに宿泊した事実については認めているが、その事実自体が、もと夫の不貞行為を強く推認させるものである。
また、もと夫は私から求められるまま、両親に不貞の事実を告白し、私の母にも謝罪し、頭髪を刈って坊主にしているが、これはもと夫が不貞行為に及んでいないとすれば考えられない行為である。
以上によれば、もと夫は女性と不貞行為に及び、不貞の事実を私に対して認めた上で謝罪したものと認めるのが相当である。
私の感想
相手に浮気を認めさせること、その証拠を取っておくことの大切さを痛感しました。
その上で、もと夫は今回、なんで浮気を否定したのかな、とも思いました。
ひとつウソをつけば雪だるま式にウソは膨らみます。
そうするとウソがばれる可能性が高くなります。
ウソがばれれば裁判官の心証は悪くなります。
それより、
浮気はしたが謝罪しました。今回の離婚には関係ありません
きっぱり言えば良かったのに。
実際、裁判所はもと夫の不貞行為を事実としたものの、離婚の原因であるとは認めませんでした。
慰謝料も発生しませんでした。
もと夫は「自分は悪いことをしていない」「悪いことをしたとすれば、ねりきりのせいだ」と裁判官に認めて欲しかったのだと思いますが。
ムダなやりとりでしたね。
余計な争点を増やしただけです。
私は少ない証拠でもと夫の不貞行為を立証することに成功しましたが、もと夫とベンゴ氏のミスに助けられた結果かもしれません。