【離婚裁判体験談】ちゃぶ台返しと大どんでん返し。からの和解成立

Steve BuissinneによるPixabayからの画像 離婚
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こんにちは、ねりきりです。

ついに和解に漕ぎつけた……と思われましたがやはり、最後の最後まで揉め揉めでした。

【離婚裁判体験談】7千円の攻防!? 一番大人だったのは子どもでした。の続きです。

【離婚裁判体験談】7千円の攻防!? 一番大人だったのは子どもでした。
こんにちは、ねりきりです。 前回の期日でいよいよ和解決定か…と思われましたが、そうは問屋が卸しませんでした。 …

家族や離婚体験談の人物紹介はこちらをどうぞ。

人物紹介
こんにちは、ねりきりです。 当ブログに時々出てくる登場人物達のご紹介です。 家族 ねりきり 管理人 …
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弁護士との最終打ち合わせ

今回の期日も例によってジョシー先生と早めに待ち合わせし、最終打ち合わせをしました。

この時、あらかじめジョシー先生にお願いしておいた弁護士報酬額の見積もりを見せてもらいました。
今日の和解時にもと夫から受け取る予定の1回目の財産分与を、弁護士報酬の一部としてジョシー先生に持ち帰っていただく予定だったからです。

……見積もり額を見てため息が出ましたよ。

これと今まで支払った手付金などを合わせるといくらになるんだろう、目の当たりにしたらもと夫への憎しみが再燃しそう、と思いました。

実は今でも弁護士への総支払額はふわっとしてるんです。現実を見たくなくて。汗

離婚裁判でかかった弁護士費用については、また別記事で書きたいと思っています。

(追記)書きました↓ やっぱり憎しみが再燃しましたwww

離婚裁判の弁護士費用。これだけかかりました。
こんにちは、ねりきりです。 今回は記念すべき(?)101回目の記事。 出来れば向き合いたくなかった私の弁護士費用…

ドタバタの和解期日3日目

今日はいつもの書記官室ではなく、かといって法廷でもなく、大きな窓から街並みが見下ろせる広めの会議室のような部屋に通されました。

この日はもと夫とベンゴ氏にも別の部屋があてがわれ、裁判官が二つの部屋を行き来する…という方法で進められました。

もと夫が前回提出した上申書には「直接接触しないことを確約」などの和解案の他に、こんなことも書かれていました。

ベンゴ氏
ベンゴ氏

従前から本人同士を接触させないようにご配慮をお願いしていますが、当日は私(ベンゴ氏)と被控訴人(もと夫)は〇時に高裁の本館1階で合流する予定です

被害者アピールの一環ですね。

だからだったのでしょうか。
この日、初めてもと夫も高裁に出頭したようでしたが、私は最後まで顔を合わせることはありませんでした。

ちゃぶ台返し

前回、前々回は私とジョシー先生が先に裁判官と話をしましたが、今回はもと夫側が先になりました。
和解に関して、もと夫本人の意向を確かめるためということでした。

いつもより広い部屋をキョロキョロ見渡しながら待っていると、裁判官が困った顔で入ってきました。

「昨日提出された上申書に間違いがあったそうなんです」

へ?(イヤな予感)

「上申書の第1項についてなのですが、弁護士と被控訴人(もと夫)の意思疎通がうまくいってなかったとのことで、あちらは変更を求めています」

ちなみに上申書の第1項といえばコレでした。↓

  • 動産の交付
    財産分与残金の支払い後、不動産権利証と子供名義の通帳の返還を速やかに同時に行う。

残金の支払い後とありましたが、被控訴人の意向を弁護士が勘違いしていたとのことです。本当は初回支払い後だったとのことです」

はあああああああ?

スットボケ作戦

和解項目について私が最大限の譲歩をした結果、最後まで争っていたのが「不動産権利証の返還」についてでした。
しかし昨日になって、もと夫が私の要望を受け入れる内容の上申書を出してきたから、今日、和解するために私は高裁に来たわけです。

それなのに、ここへ来ていきなりのちゃぶ台返し。
これはもう詐欺とすらいえるのではないでしょうか?

けれども、裁判官とジョシー先生はそこから二人がかりで私の説得を始めました。

「自宅は被控訴人(もと夫)の名義ですし権利証も彼のものですからね。返すのがスジなんですよ」

「被控訴人が訴訟を起こしたら、私は必ず返還を命じますよ」

今さら一般論を並べられても納得できるわけがありません。

まだ私に譲歩させるつもり!?

腹立たしかったです。

そこで私はこう反論しました。

不動産権利証は紛失しました。どこにあるかわからないので、すぐに返還するのは無理です。
そもそも本当に持っていたかどうかすらわかりません

スットボケ作戦です。

私が持ってるという証拠がどこにあるんですか?

裁判官もジョシー先生もこれには黙り込むしかありませんでした。

我ながらイヤな言い方です。
でも、証拠至上主義の法律の世界への皮肉も込めていました。
私はお二人を人として好きだったので、ここまで言うのは心苦しかったのですが、一歩も引きたくなかったんです。

「それでは不動産権利証は紛失のため、すぐには返還できないと、相手方に伝えましょう」

裁判官は弱り切って部屋を出ていきました。

ジョシー先生
ジョシー先生

不動産権利証、本当は持っているんでしょう?

しばらくしてジョシー先生に聞かれました。

持ってますよ

正直に答えると、ジョシー先生はため息をつきました。

新たな提案

数十分後、裁判官が弾んだ足取りで帰ってきました。

「相手方からこんな提案がありましたよ! 私としてはよい案だと思います!」

果たしてその内容は…。

「すぐに返還できないということであれば、不動産権利証に代わる証書の発行費用を財産分与額から清算してもらえば良い、とのことです。今ベンゴ氏が調べていますがおよそ10万円ほどだそうです」

はあああああああああ!?

どこがよい案なのでしょうか?

自分たちが昨日出してきた和解案をいきなり反故にして、要求が通らないとなると、金を払え? しかも10万円
自分は7千円ケチったくせに!?

お話になりません。
もはやここまです。

そこで私、賭けに出ることにしました。

わかりました。和解はあきらめます。控訴を取り下げます

ジョシー先生
ジョシー先生

!!!

ジョシー先生も裁判官もビックリでした。

私はこれまでずっと譲歩してきました。
養育費を減額し、財産分与の減額を認め、分割払いにも同意しました。
これ以上はもう無理です。
話し合いの余地はありません。
控訴を取り下げます

「せっかくここまで来たのにそれでいいんですか!?」

「控訴した意味がなくなりますよ?」

裁判官とジョシー先生が説得を試みます。
かなり食い下がられましたが、頑として受け付けませんでした。

もう心を決めました。取り下げで結構です。
ジョシー先生、書類は持ってきてくださってるんですよね

ジョシー先生
ジョシー先生

…はい

それでは手続きをお願いします

裁判官は疲れ切った様子でした。
無理もないです。これまでの話し合いが全てムダになったんですから。

「わかりました。それでは、控訴人(私)は控訴を取り下げる意向であることを相手方に伝えてきましょう」

重い足取りで部屋を出ていきました。

大どんでん返し

ジョシー先生
ジョシー先生

ほんとにいいんですか? 権利証1通のことで

いいんです。
そもそも控訴したのが間違いだったんです。
ジョシー先生の言うことを聞いておくべきでした。
申し訳ありませんでした

ジョシー先生
ジョシー先生

私としてはねりきりさんが満足であればよいのですが。
せっかく控訴したのに…。残念です

しばらくして裁判官が戻ってきました。
なんだかとても不思議な、腑に落ちない…という様子です。

「相手方に控訴人の意向を伝えたところ…」

まだ半信半疑、という話し方でした。

「相手方は権利証の返還は財産分与の残額を支払った後でよい、和解に応じるということでした」

ジョシー先生
ジョシー先生

!?

「権利証の代わりになる証書発行の清算も必要ないそうです」

急転直下の和解成立でした。
二人とも信じられない、という表情です。
けれども、私は心の中でガッツポーズしていました。

勝った!!

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ことの真相

これまで、もと夫とベンゴ氏は強硬に自分たちの要求を通そうとしてきました。
しかし、私が「取り下げ」を伝えた途端、いきなり譲歩に転じました。
裁判官やジョシー先生が驚いたのも無理ありません。
おそらく、ことの真相はこんなところです。

控訴審は誰がどう考えても私の方が有利なはずでした。
私が控訴、もと夫は附帯控訴、私はいつでも控訴を取り下げることができ、そうすれば第1審の判決が確定します。
そもそも第1審の判決自体が私にとって有利な内容だったのですから。

これまでの主張を見ると、もと夫は分割払いにとてもこだわっているようでした。
おそらく私に払えるだけのお金が手元にないからでしょう。
しかし、判決になると、財産分与の支払いは当たり前に一括払いなんですよ。
第1審の判決が確定されると困るはずなんです。

それなのに、和解協議が始まってからの、もと夫とベンゴ氏のあまりに強気な姿勢。

もしかして、判決が確定したら一括払いになるってことがわかってないんじゃないの?

疑惑が生まれました。

裁判官とジョシー先生には想像もできなかったでしょう。
だって、自分たちと同じく、最難関の司法試験に合格した弁護士が、こんな素人でもわかるようなことをわかっていないなんて。

でもね、今日の出席者の中でベンゴ氏の無能っぷりを一番よくわかっていたのはでした。
だから賭けに出たのです。

ベンゴ氏は私が「控訴を取り下げる」と聞いて初めて、もと夫は今日、財産分与を一括払いしなければならないと認識したのだと思います。

払えるわけがない。汗

もと夫も初めて自分が置かれた立場を知ったでしょう。

もはや彼らは、これまで繰り広げてきた強気の要求を引っ込めるしかなかったのです。笑

和解

思いのほか時間がかかってしまいましたが(裁判官も疲れた様子でした)、そこから和解の諸々の手続きに入りました。
この日は書記官もいて、和解調書の内容を詰めていきました。

もと夫から分割払い1回目の財産分与が渡されるということで、ジョシー先生に受け取りと確認をお願いしました。
そのまま全額を弁護士報酬の一部として持って帰っていただきました。

振り込みにしてくれたら楽なのにね

こそこそと悪口を言い合いましたw

さらに、もと夫から子供たちのマイナンバーの通知カードが返却されました。
自治体からの交付が別居後間もなくだったため、自宅に届いてしまっていたものです。
何度も返却をお願いしましたが、もと夫に拒絶されていたものでした。

一つ一つの事務作業が終わるたびにもと夫とつながれていた縁が切れていく…。

体がどんどん軽くなっていくようでした。

離婚成立!

その日のうちに役所に離婚届けを出せるのかと思っていましたが、和解調書が出来上がってからということでした。残念!

それでもウキウキしながら近所のカフェに寄り道し、1人打ち上げしました。

今日、離婚が成立したんです!

顔なじみの店主さんに伝えたら、困った顔をされました。
彼女は同世代ですがご主人とはとても仲が良いので、「離婚は不幸なこと」と思っているみたい。
「なんと言っていいかわからない」って。
それが普通の感覚なんでしょうね。

でも、たまたま居合わせた女性客3人のうちなんと2人が離婚経験者で、

「おめでとう!!」

「良かったですね!」

盛大に祝福されました。

「おめでとうでいいの?」

店主さんは不思議そうでしたが、離婚経験者ならわかっているのです。
離婚に漕ぎつけるまでの苦労と、不幸な結婚から解放された喜びを。

生まれて初めてというくらい幸せな気持ちです

と言うと「わかるーーー!」と共感されました。

今でもこの幸福感は続いています。

離婚はある意味、結婚よりもおめでたい出来事だったりするんです。

 

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