こんにちは、ねりきりです。
離婚調停、婚姻費用分担請求審判、離婚訴訟で、裁判所に約3年半通う中、法律家と一般人のズレを感じる場面がちょくちょくありました。
特に大きかったのが、法律の世界のルーズさでした。
実はあいまい? 裁判所の締め切り
私の疑問
法律の世界ってルーズ…。
一番初めにそう思ったのは、婚姻費用分担請求審判のときでした。
相手方弁護士が提出した主張書面の作成日が、裁判所で決まった提出期限の2日後だったんです。
お役所は締め切りに厳格。
そんなイメージですよね。
そもそもこの提出期限は、相手方弁護士が希望した日で、裁判官立ち合いのもと決められたものでした。
それを本人自ら破るとかあり得ないでしょ。
そんなこと許されるの?
そもそも期限遅れで提出された書面を、裁判所は受け入れるの?
もしかして裁判所が期限を勘違いしてるんじゃないの?
こんなことまで思ってしまいました。
そこで、家庭裁判所の担当事務官に電話で問い合わせてみたところ…。
返ってきたのは、一般人の感覚とは違う、裁判所独特の答えでした。
裁判所の考え方
家庭裁判所の担当事務官は、弁護士をつけてなかった私に、手続き上のややこしいことなどを丁寧に解説してくれるとても優しい女性でした。
このときも、親切に教えてくれました。
裁判所としては、当事者の言い分を出来るだけ聞こう、というスタンスなんです。
だから、多少締め切りに遅れても、裁判官は可能な範囲で主張書面を読むものなんですよ。
なるほど、と思いました。
裁判官は審判や訴訟において、当事者双方の一切の事情を考慮して判断を下します。
その責任はとても重いもの。
互いの言い分は出来るだけ聞いてあげましょう。
提出期限後に新たな事実が判明したり、証拠が揃ったりすることだってあるでしょう。
期限切れを理由にそれを拒絶することはしません。
ということででしょう。
ある意味、公平を追及している…ということでしょうか。
一般社会と法律の世界の違い
一般社会では、納期や請求などの期限を守らなければ、ペナルティがあったり、信用をなくしたりします。
例えば市役所の手当の申請など、期限を守らなければ、支給が遅れるなどしますよね。
もちろん裁判所でも、たとえば婚姻費用分担請求の申立日が月をまたぐと、支払開始月が一ヶ月遅れになる、など厳格に運用されていることもあります。
しかし、審判や裁判に出す書面の提出期限はあいまい。
遅れても、怒られることはないようです。
法律の世界の中心にある裁判所がそうなので、弁護士の期限に対するモラルも低いみたい…。
裁判では、期日の最後に次回期日と準備書面の提出期限が決められます。
しかし、裁判官はそれが守られるとは思ってないし、弁護士もほとんど守る気はないような。
のちの裁判で、私も弁護士に依頼しましたが。
私は弁護士が作成した書面を提出前に必ず確認したい方だったので、提出期限に対する弁護士との意識の違いで、初めのうちはずいぶん気を揉まされました。
(多分、弁護士にとっては遅れるのが当たり前のことなので、それが悪いとすら思ってない……のかも)
証拠第一主義の法律の世界は、世間の感覚とかなりズレがある、とはよく言われることですが、こういう面でも、法律家と一般人の意識はかけ離れてるなあ…と思ったものでした。
書面を期限に遅れて提出することのリスク
主張書面の提出が期限に間に合わなかった場合、当事者が不利益をこうむることはないのでしょうか?
法律事務所や法律相談のサイトなどを見ると、弁護士の見解は大体こんな感じです。
・書面の提出遅れが裁判官の事実認定に影響を与えることはない
・裁判官の印象が悪くなることはあるかもしれない
まあね、あんまり提出が遅いと、裁判官も迷惑ですしね。
期日直前に書面を出されたら、その日に決めるべきことが次回に持ち越される…なんてこともあるかもしれない。
そしたら裁判が長引くことになるかも。
それでなくとも長~い裁判。
依頼人としては1日でも早く終わって欲しいもの。
決して良いことには思えないんですけどね。
裁判所が
「今後は、提出期限に間に合わない書面は一切受け取りません」
なんて見解を出せば、弁護士も意識を変えるのかもしれませんが。
期限に遅れた書面を受け取ってもらえないことで、私たちがこうむるリスクを思うと、なんとも言えませんよね。
結論として、
法律の世界で戦わなければならない以上、私たちとしては裁判所や弁護士など法律家のやり方に合わせるしかない、ってことなんですよねえ(ため息)。